沢田マンションとは
沢田マンションは、高知県高知市薊野北町1丁目に所在する集合住宅である。鉄筋コンクリート建築を専門職として手掛けたことのない夫婦が(のちにはその子も加わって)建築した。鉄骨鉄筋コンクリート構造、敷地550坪、地下1階地上5階建て(一部6階)、入居戸数約70世帯、約100人居住。
増築に増築を重ねた外観から、軍艦島と並んで「日本の九龍城」とも呼ばれ、建築物探訪の名所のひとつとして知られる。(Wikipediaから抜粋)
簡単に言うと建築素人の沢田夫婦が30年の年月をかけて作った違法建築マンションである。
レトロ自販機巡りで高知市に来て、時間があるので行ってみた。
高知駅⇒沢田マンション(徒歩)
高知駅から約2キロ、徒歩で26分の距離にある。
沢田マンション
14時、沢田マンション到着。
思っていたよりもデカい。そして何とも言い難い圧を感じる。
ちなみに、日本の九龍城と呼ばれるが、九龍城はこんな感じだったらしいので、実際は全然違う。
とは言え、家族で作ったと思えば十分にすごい。
入り口には、無人販売があった。
意外とのどか。
1階
午前10時から午後5時の間で、大家さんの許可を得れば見学・撮影が可能。
1階に大家さんがいたので、許可をもらった。
何か色々言われるかと思い、身構えていたが、
おいら 「中見ていいですか?」
大家さん「はい。」
のみの会話であった。
入居者を募集している。
2万8千~4万2千円か。
田舎の家賃の相場が分からないが、高知市中心部に近いことを考えると安いのではないだろうか。
それでは、建物を観察していこう。
マンションを建てるために使用した発動機が置かれている。
カフェや事務所が入っているようだ。
建物の正面にそびえ立つのは作業用リフト。
スロープで2階へ。
2階
まさかのピアノ教室。
近隣住民にとって、近づきがたい建物というわけではなさそうだ。
1階、2階は主にテナントが入っている様子。
廊下がとても広い。
作業場になっている。車まで置いてるし。。。
3階
良心市
商品は置いていなかったが、マンションの住民が自由に販売できるみたいだ。
3階は廊下が狭く、生活感が増した。
恐怖の床。
北側の部屋の日当たりをよくするために、あえてコンクリートで固めていないらしい。
違法建築と聞いてるから、この上を歩くの余計に怖いのよ。
4階
4階、5階へと続くスロープ。
ジャングルジムじゃないんだからさ・・・
建設当初、入居者が決まった順に部屋番を決めたため、部屋番号がバラバラで宅配業者の悩みの種になっているのだとか。
5階
5階には池があった。
鯉が泳いでいる。
孫のためプール設置を計画したが、釣りがしたいという孫の意向で池にしたという自由過ぎる理由で作られたものなのだとか。
5階のオーナーの家。
これ以上は扉が閉まっていて行けなかった。
ウサギや豚がいるという噂だが、現在もいるのかは検証できなかった。
リフトを上から見る。どうやら地下につながっているようだ。
5階からの眺め。
目の前にスタバがある。この落差よ。。。
地下駐車場
最後に、地下も見ておこう。
おぉ、独特な絵が。
猫バス。ジブリ好きな人がいるのかな?
地下は駐車場になっていた。
優しそうなトトロと目が合った。
沢田マンションは情熱の作品だった
沢田嘉農が44歳の時に建築に着手し、「設計図はわしの頭の中にある」として、きちんとした図面もなく独自に工事を進め、2003年に75歳で亡くなるまで増改築を続けた。
44歳から死ぬまで情熱を注げるものに出会えるってすごいと思う。
頭の中に設計図があるなんてサクラダファミリアどころじゃない。
何が彼をそんなに駆り立てたのだろうか。
このストーリーを知ると、田舎の奇妙なマンションが人生をかけた情熱の作品に見えてきた。
自分のためだけのものであれば、その人が亡くなれば無くなってしまうが、人の住む場所・人が集まる場所を作り上げたからこそ、後世も残り続けていく。
あの世の面接官に、あなたが情熱を持って取り組んだことはなんですか?
と聞かれたとしたら自分は何か答えられるだろうか。。。
沢田マンションに関する情報
1泊3500円で宿泊も可能のようです。
▼お問い合わせ先
電話番号 090-3988-8568・088-845-0528
▼沢田マンションに関する書籍